荷主交渉コンサルティング
2024年問題を乗り越える、運賃改定・条件改善の具体的手法として、荷主企業との交渉をサポート
くわしく見る
協和運送株式会社
2015.10.14
従来の下請体制では将来に不安があり、新たな集客手段として、WEBを取り入れました。船井総研の勉強会FLS(FUNAIロジスティクスソサエティー)とコンサルタントの髙橋さんからWEB集客を学び、ページ更新やSEO対策など、素直に実行しました。
WEBの基本スタンスは、「物流に関するお悩みをお聞かせください」というものです。緊急事態や特殊な輸送など、二つとして同じ輸送はありません。ご要望をよくよくお聞きし、今までさまざまな要望に応えてきた現場経験を応用して、即座に最適なサービスを提案します。多少の無理がきくことも強みです。
心がけていることは、いただいた問い合わせに、絶対に「できない」と言わないことです。「Never Say No」をスローガンに、できる方法を考えようと社員たちにも伝えています。とはいえ、WEBからお問い合わせをいただくには、お客様の心理的ハードルを下げる必要があります。この業界は定価があってないようなものですから、サービスメニューに応じた適正な基本価格を明示することで安心感を訴求しました。
また、運送会社は“サービス業”です。きちんと輸送するのは当然のこと、スタッフの応対や、輸送時の注意事項が正確に伝達されているかといった人との関わりが大事だと考えています。そこで関西圏の初めてのお客様に限り、作業後にABC評価をいただき、 A評価なら定価で、ご不満があれば10%、20%の割引をお約束します。物流にも「お試し」の視点を導入しているのです。あらゆるお悩みに対応するために、自社だけではまかなえない量や特殊技術や能力をカバーできるパートナー企業を100社以上提携しています。零細企業同士強みを活かしつつ、弱みを補いあいながら連携しあっています。例えば配送依頼したパートナー企業のドライバーの管理も行うなど、自社社員と同じように接します。
ある日、21時頃に電話が入りました。詳しくお聞きすると、和歌山から千葉まで、明朝までに4台の機械を運んでほしいという緊急の依頼でした。調べてみると現場近くに対応できそうな車はありましたが、機械1台分の容量です。お客様には「今から向かい、1台分なら翌日○時にお届けできますが、どうしても4台必要でしょうか?」など細やかに打診しました。結果、まずは1台お届けし、翌朝便ですべてを届けることができたことで、先方からとても喜ばれました。イレギュラーな事態はお客様にとってすでに100点ではありませんが、100点に近づけるような提案をすることがわが社の仕事です。こうした対応から10%程度は定期契約につながっていますが、ご依頼内容をよくよく聞くと、実は定期契約ではお客様のコスト高になる案件も多いものです。本当のニーズを探り、お客様の業績を上げるお手伝いをする視点で、サービス、コストを提示するととても喜んでくれます。
お客様には本業に徹していただき、物流面はプロであるわが社が担うという姿勢です。こうした対応には社内一体化が必須です。社員とのコミュニケーションやイベントを大切にしています。求人についても、会社の雰囲気や考えをWEBから理解して応募いただいており、入社後もトラック以上に会社を好きになってくれるので、離職率は業界平均30%に対し、約10%にとどまっています。零細企業の経営は、大海でゴムボートを漕いでいるようなものです。大きくなることよりも、社員やパートナー会社とともに、どんな波にも適応できる強い会社になっていきたいと考えています。