荷主交渉コンサルティング
2024年問題を乗り越える、運賃改定・条件改善の具体的手法として、荷主企業との交渉をサポート
くわしく見る
ピー・シー・エス株式会社
2012.11.28
最初は、船井総研ロジの橋本さんが担当している物流企業のクライアントに、フォークリフトのレンタルを提案できないか相談に行ったのがきっかけです。
ところが橋本さんと話しているうちに、お客さんを紹介してもらうこと、という当初の目的が小さいことに思えてきました。それよりも、営業活動を抜本的に見直して、マーケティングに着手しようと思いコンサルティングをお願いすることにしました。
「フォークリフトについて製造を除く、川上から川下まで、トータルで提案できるのでビジネスモデルとして強い。あとは強いビジネスモデ ルをどうお客様に伝えるかという手段が問題だから、それをお手伝いする方法はいくらでもありますよ」と言われ、そこまで言ってもらえるのならば、とお願いしたのです。
もともと当社は、建設機械レンタル会社を相手にフォークリフトを「卸しレンタル」、つまり又貸しをしていました。この建設業関連の売上が全体の 75%を占めていました。他にも物流業へのレンタルや、フォークリフトの修理や定期メンテナンス、中古機体の買取・販売などの事業を行っています。
建設現場ではフォークリフトが使われるシーンは限られています。そのためレンタルが業界では常識であり、当社はこの分野で、勝負してきました。
これまでは安定して利益がとれていたのですが、公共投資が減り、建設現場での需要が減りつつある現状では、建設業界向けだけでは、業績が落ち込んでいくことは目に見えていました。そこで新たな事業の柱を構築する必要を感じ、3年程前から本格的に着手していたのです。
その新たな柱とはフォークリフトの需要の大半を占める物流倉庫や物流企業向けのレンタル市場です。フォークリフトの関連企業としては、建設業界向け のレンタルは言わば隙間市場です。そこで足がかりを作った当社にとっては、いよいよ本丸の市場へ攻める、という格好になります。
ところが、この本丸の市場は、各フォークリフトメーカーがしのぎを削る激戦区です。トヨタL&Fやコマツなどの世界的な大メーカーの営業所が各地にあり、何十倍、何百倍も大きな規模で営業を展開しています。
当社は関東近県が対象エリアですが、営業マンは3人です。かたやメーカーディーラーは当社がある相模原エリアだけで営業所が一つあり、そこに数人の営業マンがいるのですから勝負になりません。
また当社の営業方法も、飛び込み営業がメインで、フォークリフトを使う企業を見つけては、文字通り飛び込んで案件をもらってくるという、昔ながらの泥臭いものでした。
当然、10件中9件はまともに話も聞いてもらえず、1日10件飛び込んでも、10日に1件案件が取れるかどうかの確率です。この営業手法だけで新規客を増やしていくことに限界を感じていました。
だからといってBtoBの分野において、他に効果的な営業手法がなかなか見つけられず悩んでいました。雑誌への広告出稿や、WEBサイトの開設なども行いましたが、大きな成果にはつなげられずにいたのです。
そんな、わが社に対する橋本さんの提案は、まずはWEBサイトを使ったマーケティングに力を入れることでした。月に2~3件の問い合わせだったサイ トを、お客様にわかりやすく、申し込みしやすいWEBサイトに改修することで、問い合わせ件数を大幅に増やすことを狙いました。
橋本さんから1ページ1ページコンテンツの内容からデザインまで、アドバイスをもらい、変更していきました。動画での会社案内を作り掲載したり、成功事例や修理事例を掲載したりと、アドバイス通りにサイトを作りかえました。
価格を掲載したほうがいいという提案ももらいました。BtoBの世界では定価とはいえ、値段を公開することは一般的ではないと思います。最初は私も抵抗感がありましたが、橋本さんが「絶対値段は公開したほうがいい」と言うので信じて掲載しました。
他にも前のサイトを作ったときに設定して、そのままだったリスティング広告も見直してもらいました。キーワードの設定や、広告文の設定を細かく行うだけでなく、リスティング広告をクリックした人たちに最初に見せるランディングページの工夫を行いました。
例えば「破損や動かない機体でも買取歓迎」など、中古を売りたいお客様記載しています。他にもWEBサイト全体を通じて、お客様が知りたい情報、お客様の視点にたって必要な情報を盛り込んでいきました。
また橋本さんに言われてブログもはじめました。毎日1コンテンツ更新を自分のノルマとして課しています。ネタ集めを毎日意識するようになり、その中で生まれた人気コンテンツがフォークリフトの買取価格の公開です。
そんな、わが社に対する橋本さんの提案は、まずはWEBサイトを使ったマーケティングに力を入れることでした。月に2~3件の問い合わせだったサイ トを、お客様にわかりやすく、申し込みしやすいWEBサイトに改修することで、問い合わせ件数を大幅に増やすことを狙いました。
買取価格は、どこの会社も出していないのでキラーコンテンツになっています。このサイトを見て、「ブログの機体と同型だと思うのですが○○万円くらいで買ってもらえますか」という問い合わせが増えました。
さらにWEBサイト上にフォークリフトの安全運転に関する情報を集めた、事故撲滅マニュアルも作り、資料請求してもらえるようにしました。この安全に関す るマニュアルは特に大企業の安全委員会の方などから好評で、このマニュアルを通して、大企業との取引が始まるケースが増えました。
これらの取り組みの結果として、1年半前からお付き合いがスタートしたのですがWEBページ経由の問い合わせ案件は増え続け、月2~3件だったのが、直近の8月では30~40倍の88件まで増えました。
問い合わせ案件の半分は受注できますので、8月の単月の売上は過去最高を記録し、通年で見ても前期は過去最高、今期も過去最高のペースです。
業績もさることながら、嬉しいのは、売上の比率が非建設業部門で50%を超えるようになり、新しい柱として育ってきたことです。
営業も、問い合わせのフォローという形で営業できるので、相手はウエルカムで迎えてくれるうえ、いきなり本題を話してもらえるため非常に効率が良 く、夢のような話です。いまでは問い合わせフォローの件数をこなすのが精一杯になりつつあり、新たな営業マンが必要になるなど嬉しい悲鳴です。
また、これまでは全く縁の無かった、誰もが知っているような日本を代表する企業からの問い合わせが増え、50台を超えるフォークリフトの一括買取など大型の商談にもつながっています。WEBを上手に使えばここまで効果があるのだと、驚いています。
今後は、新規案件をさらに増やしていくだけでなく、当社の営業ツールに、磨きをかけて、問い合わせ、いただいた案件からいかに、次の案件に効率的につなげるかにチャレンジしていきたいと考えています。
船井総研は、業種毎に担当のコンサルタントがいて、業界について深い知識や情報を持っています。その情報を使って、具体的に業績をあげる提案をもらえるのが強みだと思います。
また橋本さんは、当社のことを「うちの会社は……」と話されるのですが、会社の一部として一緒に業績をあげていく、橋本さんのコンサルティング姿勢を象徴している言葉だと思っています。